大判例

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東京地方裁判所 昭和39年(ワ)7006号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕次に慰藉料の点について判断するに、<証拠>によれば、亡Aは昭和四年頃当時温度計加工業を営んでいた原告X1と婚姻し、その余の原告ら<編註X2〜6>を含む六人の子女をもうけ、主婦として生活していたが、昭和三一年頃原告X1が脳溢血で倒れたため外で働くようになり、初は失対労務者として、その後は近くの帽子店で働き家計を助けていたが、昭和三五年頃原告X1と喧嘩をして家を出、友達の処に寝泊りして依然帽子店で働いているうち、昭和三八年九月頃から前記訴外Bと親しくなつて、まもなく同人と同棲するようになり、その後まもなくして本件事故に遭つたものであること、原告X1は前記のように昭和三〇年頃脳溢血で倒れ、昭和三六、七年頃には胃潰瘍で入院し、その際は三、四ケ月で退院したが、その後再入院し、本件事故当時も入院中であつたこと、その余の原告らのうち原告X2、同X3、同X4はすでに婚姻し、子供もあるが、原告X5は未婚で他家に住込で働き、原告X6は現在ノイローゼで入院中であることがそれぞれ認められる。

被告らは亡Aが原告らを棄て他の男と同棲中であつたから原告らに慰藉料請求権はない旨主張するが、主張自体失当であるのみならず、前記本人尋問の結果によれば、亡Aは家を出た後もまた同棲後もときどき家に帰つてきては洗濯や炊事などをして原告X1の世話をし、同原告には月々小遣を与えていたこと、子であるその余の原告らも初のうちはAに対し憤りをもつていたが、その後諦めAと互に往来していたことが認められるから、当然Aの死亡により原告らは慰藉料請求権を有するものというべきである。

しかして、その慰藉料額については、右認定のような諸事情および前記認定の事故の態様等を併せ考えると、原告X1は金五〇〇、〇〇〇円、その余の原告はそれぞれ金三〇〇、〇〇〇円が相当と認められる。(小川昭二郎)

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